まず、アルツハイマー型認知症がどうやって発症するのか簡単に説明すると、
記憶をつかさどる海馬にアルツハイマー型認知症の原因である「アミロイドβ(ベータ)タンパク質」が沈着します。
その結果、神経細胞やネットワークが破壊され、発症することが分かっています。
1997年、第一人者である「藤野武彦」教授が発表した「脳疲労」理論にもヒントがあります。
脳疲労が起こった結果、メタボや糖尿尿のほか、生活習慣病を発症するのと同じようにアルツハイマー型認知症も発症するとか。
そして、これまでの研究でアルツハイマー型認知症になった患者の脳や血清を調べてみると、プラズマローゲンが減少していることが明らかになっています。
我々人間は、仕事や人間関係でストレスを感じると、その瞬間に脳内に酸化物質が発生し、脳細胞が酸化してしまいます。
このストレスの状態が慢性化してしまうと脳細胞は死滅し、ネットワークが壊れさまざまな病気が発症します。
これに対し、プラズマローゲンが脳細胞の身代わりになって酸化され、脳細胞を守り病気の発症を防ぐ抗酸化の役割を果たしています。
プラズマローゲン自身が酸化物質に酸化され、細胞を守る「抗酸化作用」を発揮することが、近年になって分かってきました。
結果、プラズマローゲンがアルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβ(ベータ)タンパク質の蓄積を抑制する作用を持っています。
さらに神経細胞を新生させる能力があります。
壊れた細胞を良くするのではなく、新しい細胞をつくる。
新しい細胞が生まれれば、アミロイドβ(ベータ)タンパク質で壊れた細胞を改善する必要がないですね。
体内で情報伝達にかかわっている重要な物質「リン脂質」の一つであるプラズマローゲン。
わたしたちの脳細胞に深くかかわっているのが分かります。
そのプラズマローゲンですが、人や動物、魚介類の体内に存在する自然物質。
人間の体内に存在するリン脂質の18%がプラズマローゲンです。
わたしたちの体内では、古い映画「ミクロの決死圏」のようなことが日常に起こっているのかも知れませんね。